人気テレビ番組だった「クイズタイムショック」(テレビ朝日系)の2代目司会者を務めた俳優の山口崇(やまぐち・たかし)さんが、2025年4月18日午後3時36分に肺がんのため東京都内の高齢者施設で逝去されました。88歳でした。訃報は21日に公表され、多くのファンや関係者に衝撃が広がりました。
所属事務所・オフィス天童は公式サイトにて、「オフィス天童所属俳優・山口崇(本名・山口岑芳)は2025年4月18日15時36分 肺がんにより入居中の高齢者施設で永眠いたしました」と発表しました。
山口さんは、NHKドラマ「天下御免」で平賀源内を演じて一躍人気俳優となり、その後、「クイズタイムショック」では2代目司会者に就任。さらに時代劇「大岡越前」では徳川吉宗役を長く演じるなど、テレビ史に残る存在となりました。
映画では、2019年公開の三谷幸喜監督作品「記憶にございません!」で総理大臣の恩師・柳友一郎役を演じたのが最後の出演作品となりました。
訃報は4月21日に所属事務所より発表され、通夜は4月25日午後6時、告別式は26日午前9時半より代々幡斎場(東京都渋谷区)にて執り行われます。
俳優・司会者・三味線奏者・民話研究家として多彩な才能を発揮した昭和・平成を代表する名優。俳優としてだけでなく、邦楽・文化活動でも日本文化に多くの貢献を残しました。
長唄の名取「杵屋 巳楓(きねや みふう)」としても活動し、文化的分野でも家族とともに演奏会を重ねてきました。
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1971年放送のNHKドラマ「天下御免」での平賀源内役は、まさに当たり役。時代の枠を超えた発想と行動力を持つ主人公を、明朗快活に演じ、国民的な人気を博しました。
この演技は脚本家・三谷幸喜氏をはじめ、多くのクリエイターにも影響を与えたとされています。山口さんは、自ら録画した「天下御免」第1回と最終回の映像をNHKに寄贈したことでも知られています。
1971年放送のNHKドラマ「天下御免」での平賀源内役は、まさに当たり役。時代の枠を超えた発想と行動力を持つ主人公を、明朗快活に演じ、国民的な人気を博しました。
この演技は脚本家・三谷幸喜氏をはじめ、多くのクリエイターにも影響を与えたとされています。山口さんは、自ら録画した「天下御免」第1回と最終回の映像をNHKに寄贈したことでも知られています。
1978年から1986年まで、テレビ朝日の人気クイズ番組「クイズタイムショック」で2代目司会を務めました。
ダンディーな声と、落ち着いた進行スタイル、緊張感の中ににじむユーモア──。山口さんの司会は多くの視聴者の記憶に残っています。
2024年10月、NHK大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」のドラマガイド取材でのインタビューが、山口さんの最後の仕事となりました。
この取材中に声のかすれを指摘され、病院で検査したところ肺がんと診断。亡くなる5日前まで「まだまだ生きるよ」と語っていたというエピソードもあり、訃報は多くの人に驚きをもって受け止められました。
奇しくも、訃報が報じられる前日には「べらぼう」第16話で安田顕さん演じる平賀源内が劇中で亡くなるシーンが放送されており、時代を超えた“縁”を感じる声も多数寄せられています。
長唄三味線方「杵屋 巳楓(きねや みふう)」の名で活動し、妻の平尾桂子さん(杵屋巳貴)、長男・山口太郎さん(杵屋巳三郎)、長女・山口由紀さん(杵屋巳織)とともに、家族での演奏会も行っていました。
また、民話研究家としても知られ、『昔ばなし出逢いの旅』『音と崇と昔ばなし』など多数の著書があります。
芸能と伝統芸能の世界で、家族全体が“作品”のように文化を支えてきた一家としても知られています。
「三谷幸喜監督作品『記憶にございません』で初めてご一緒させて頂きました。80をお過ぎになっていたにもかかわらず、教育者としての長台詞をNGも出されず朗々と姿勢良く話されるお姿に感銘を受けた事を思い出します。長きに渡り、我々に楽しみを与えて下さった事に感謝をしながら、ご冥福をお祈りいたします」
コメント数は600件以上。今なお世代を問わず、多くの人の心に残る俳優であったことがわかります。
「天下御免」での奔放な主人公、「大岡越前」の威厳ある将軍、「タイムショック」の知的な司会者──どの役を取っても“山口崇らしさ”が輝いていました。
多才で知的、そして文化を愛する姿勢を貫いた俳優・山口崇さん。その功績と人柄は、これからも語り継がれていくことでしょう。
謹んでご冥福をお祈りいたします。🙏